太陽の沈まぬ国

色は違えど、言葉は違えど、体格は違えど、思えば、地球上に暮らす僕らは皆、同じ月を見て、同じ火を灯し、同じ水を飲み、同じ木からなる果実をかじり、同じ金という名の通貨で生活をし、同じ土を踏み、同じ太陽の光を浴びて暮らす月火水木金土日の子供達。



当然ながら、スペインの人たちもその例外ではありませんでした。

ただ、ちょっぴり向こうで暮らす人々の笑顔が、こちらで暮らす人々よりも眩しく、羨ましかっただけで。  



太陽が朝7時くらいに昇り、第一の朝食をそれはそれは美味しいトマトのペーストが塗られたトーストやカプチーノで済ませ、desayunoデサジュノと呼ばれる第二の朝食(11時くらい)から、ビールを飲んで、14時過ぎてからハムやチーズやオリーブなどを使った料理で昼ごはん、そのあとシエスタ(昼寝)があって(滞在中にそういう人には出逢わなかったので最近は減ってるのかも?)

そのあと残りの仕事をして、太陽が沈んであたりが暗くなっていく20:00-21:00くらいから自宅やバルやレストランで夕ご飯&BEER!(僕らはパエリヤや巨大ピンチョスなどを楽しみました)。

締めはエスプレッソ、ではなくてなんとコーヒーをすすった後のオルホ(葡萄の粕から作られた蒸留酒)のショットでサルー!



ちなみに向こうで午後一とは16:30を意味するらしく、最終日にバルセロナ市街で買い物をしている時に16時頃から楽器屋さんが次々とオープンし始めたのをみかけました。

15:00頃行った時に閉まっていて残念がっていたKAZUさんも、16時半に空いた時に衝撃と嬉しさを隠せなかった様子です。(笑)



向こうで暮らす人々の笑顔が眩しかったのは、決してサマータイムで日照時間が長いという、それだけの理由ではない気がしてます。

僕の知り合いから聞いた話では、日本のとある地域では、夜中ウォーキングをするのに「あの人、毎日歩いちゃっておかしい」と周りの目を気にして健康のためのウォーキングができない、とか、カゴのついた自転車で買い物をすると近所の人の噂になるから恥ずかしい、という理由で買い物行くのにも車を使い、自転車に30年も乗っていない、という様なお話を聞きました。

これは極端な例かもしれませんが、僕らの周りにも似たようなケースがかなりあるんじゃないかと思います。 

普段の暮らしの中でも、シンプルに「おはよう」「こんにちは」などの挨拶ができない人がいたり、日本が少しづつ歪んでいっているように感じます。

いつから日本はそんな窮屈な国になってしまったのでしょう。

他人を気づかい、空気を重んじる日本人。という意味では素晴らしい国民性だと思うのですが、それがマイナス方面に傾いてしまっているような気がして止みません。



スペイン滞在中、とあるレストランでの出来事。外のテラス席で僕らが食事をしている際、配膳中のグラスを女性の店員さんが落とし、パリーンッと音を立てて割れたのですが、

すかさずその空間にに拍手が鳴り響きました。お客さんだけではなくその店の支配人さえも(笑)

落とした店員さんも笑顔で拍手に答え、今にも踊りそうな表情を浮かべました。

リーダーが「なんて素晴らしい国だ!」と感激していたのが印象的です。

もう一つ例をあげてみると、とある朝、KAZUさんとホテル近くのカフェに行った時の出来事、店員さんが偶然僕らのことをFACEBOOKで見て知っており、写真を撮って欲しいと頼まれたので「ムイビエン!」と答えたら、

彼女は両手をあげて喜んでくれ、レジに立つもう一人の同僚も呼んで、2人で僕らのところにかけ寄ってきてくれたのです。

その時、丁度店内は混んできていたので、レジには注文をしたい人々でなかなかの長蛇の列ができていたのですが。(苦笑)

そんなことも意にせず、めちゃくちゃ喜んでくれる店員さん。しかし並ぶ人々もイライラした様子は一切なく、むしろ写真を撮ってるこちらを見てニコニコ楽しそうにしていました。



この時も日本との違いに考えさせられ、KAZUさんと帰り道にそれについて語り合いました。

でもそんな事を日本で真似したら、口撃の標的になり、SNS等で炎上する事は間違いありません。しかし、せっかく今回のMANGAイベント(2日間延べ2万人の来場者数)始め、

せっかく日本のカルチャーがリスペクトされ、今最も若者から注目を浴びてる国と言っても過言ではないこの日本で、我々はもっと自国の素晴らしさに気づき、自信を持って楽しく生きても良いのではないでしょうか。

「自分が変われば世界は変わる」という言葉もあります。まずは自分自身が開眼して、少しづつできる事からやっていきたいと思います。

もっと自由を!! もっと音楽を!!! もっと笑顔を!!!  



距離ってのは測定器やメジャーを使って測る物質的なものと、精神的なもの2つを指すと思う。

これまで十数カ国を旅して確信した事は”縁”の世界に物理的な距離は実は存在しないんじゃないかって事。

近くにいても縁のない人とは一生会わないかもしれないし、どんなに遠く離れた場所でも、運命だと感じる出逢いはたくさんある。

きっと僕らはこのまま魂の旅を続けていれば、どこか辿り着くべき場所に辿り着けるのかもしれない。

だからこそ神様は、僕らがあっと驚くような出逢いをプランニングしてくれるんだと思う。その全てに意味があって。きっと、きっと…..

スペインで出逢った人たちがラブリーすぎて、目にした景色が素敵すぎて、正直旅の別れはちょっぴり切なかった。

でも、日本に帰ってきても、彼らと同じ月を、同じ星を眺める事ができるのが、嬉しい。

そして、向こうで変わらず生活を続けていく彼らの毎日が笑顔であり、幸せであって欲しい、彼らの人生が大きな事故や病気もなく、ずっと素晴らしいものであって欲しいと心から願いたい。

Adios!!



日本を旅たつ時にKAZUさんから教えて貰ったこの曲が丁度今の気分にぴったりなので、皆さんに送ります。 

この曲、ビートたけしさんが作詞してるんです。


JACK


ステージの模様やオーディエンスのリアクションはこちらからご確認ください。

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