ギタリストMOBの「宛なきアルバム解説」後編
後編です。
M5 CURRY
この曲は元々先述したThe Syamisenistのセルフカヴァーになります。
The Syamisenistの1st album Trebleにも収録されてますので
併せて聴き比べてもらえると面白いかと。
TRANSISTに植田さんが加入する前に
寂空さんとのトリオで新潟にライブに行った事がありまして
その時にこのCURRYを3人で演奏したのですが
その時の植田さんの得意とするジャズのアプローチがクールだったのを覚えていて
正式に加入が決まりこの曲をアルバムに入れることになり
じゃあ植田さんに思う存分に目立ってもらおう
をテーマにアレンジしてみました。
カリーとは寂空氏が昔よく立っていたライブハウスの看板犬の名前だそうで
ライブ中に客席を走り周ってる姿が印象的だったと前に語ってくれました。
そのカリーが亡くなった時に作った曲だそうで
鎮魂歌と聞けば暗いイメージがありますが
カリーと寂空氏の間に暗い思い出なんて無いだろうし
思い出すときは明るくライブハウスを駆け回る姿を
と言う彼の優しさなのだろうと私は感じました。
M6 ANAFRICA
この曲はTRANSIST第六のメンバー東さんの作った曲
いつもリハーサルに
歩いて持ってきたとは思えない量
のスチールドラムや打楽器さらにはエフェクター類を持ってくる鉄人なのですが
その中からグーダドラムと言う楽器をチョイスして
あの耳に残る印象的なリフを作ってきてくれました。
そしてなんと言ってもこの曲は全曲の中で唯一ヴォーカル入りの楽曲。
発足当初からライブの物販等手伝ってくれている
TRANSISTのDivaことGinaをゲストヴォーカルに迎えております。
彼女のゴスペル叩き上げの歌声に酔いしれながらライブでは演奏してます。
そして一番トラック数を使った曲でもあり
よく聴くと恭平のジャンベが3パターン入ってるので
計4人の恭平が基本のリズムを作り
色んなパーカッションをメンバー皆んなが奏でております。
中でも植田さんの
すっげえ小さいトライアングルを叩く姿
は必見でした。
曲のイメージはアフリカの路上で人が集まってきてセッションを始める感じです。
メンバー誰1人アフリカ行ったことないけどな!!!!
M7 Only the Brave
こちらの曲もANAFRICAに続き東さん作曲。
いつもリハーサルに
歩いて持ってきたとは思えない量の(以下略)
その中からラブドラムという楽器をメインで奏でております。
この曲は東さんと植田さん恭平の3人編成での曲ですが
恭平は生ドラムでは無くハンドソニックという電子ドラム?
的な物を使っております。
打ち込みではなく電子音でもリアルタイムで叩くという恭平のこだわり。
そして打楽器の音だけでは無くネイチャーサウンドも実は
ハンドソニックから鳴っている音なので良く聴いてみてください。
因みにOnly the Braveという映画があるので
そこから来てるのかなぁと東さんに訪ねると
「観た事ないです。」
と真顔で言われました。笑
いやぁしかしあの物量を毎回スタジオに持ってくるのはすごいなぁ
と帰りの車中いつも植田さんと話しながら帰っております。
M8 summer leaf
この曲は私と谷川のデュオ「Novem」の曲を
TRANSISTでセルフカヴァーしたもの。
前奏はテーマをギターとベースとラブドラムで
4/4拍子で演奏したものだったのですが
前曲のOnly the Braveの繋がりを考えてる最中
前奏をリヴァースさせてみたらどうだろう?
と提案したところ、いい具合にはまったので採用しました。
いつもは2人で演奏しているのですが
6人になるとよりエピックにメンバーが昇華してくれて
作った身としてはありがたい限りです。
この曲は初めて出来た姪っ子と夏の終わり頃に
公園で遊んでてメロディーを思い付きました。
夏の青々とした緑と子供の成長する生命力。
自分が小さい頃遊んだ公園の景色などをイメージしました。
そんなイマジネーションをくれた彼女の名前に因んで
summer leaf
と名付けました。
M9 流星群
この曲は寂空さんが昔からやっている曲で
様々な形態での流星群を私も聴いた事があります。
イントロ早々タイトルにある
流星群を彷彿させる三味線の旋律
そして軽快な四つ打ちから始まる
終始心地のいいダンスナンバー。
ライブでも必ず最後にぶち上げてくれる魔法の曲だと思ってます。笑
寂空さんが三味線を初めて間も無く
三味線一本持ってインドに旅をした時に見た夜空
そして帰国後見た隅田川の花火大会
その二つの光景が重なって出来た曲だそうです。
いや、経緯が色々クレイジー!!
そんな曲がライブのみならずアルバムの最後も締めくくってくれています。
これで全ての曲の解説は終わりです。
6時間くらいぶっ通しで書いてるので最後の駆け足感は否めないですが…
まぁ長々あーだこーだ言いましたが、受けとり方は自由
何よりインストなので歌詞が無い分色々な事がイメージ出来る
それがインストの良い所だと私は思っております。
そんな中イメージしてたものが繋がってたら嬉しく思います。
6人が魂込めて出来た今作
長く愛されるアルバムになればいいなぁ。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
またライブハウスでお会いしましょうや。
MOB
寂空-JACK-
YUJI
MOB
KYOHEI
DAISUKE
KENJI
Trip to Nowhere @ Shimokitazawa 440
photo by tomohide ono
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