ギタリストMOBの「宛なきアルバム解説」前編

9/27 下北沢440 のレコ発を迎え遂にTRANSISTのフルアルバム

「Trip to Nowhere」

が発売となりました！！

ご来場そして購入して頂いた皆様はすでにお楽しみいただいてるでしょうか？

タイトルにありますTrip to Nowhereとは直訳すると

「宛てなき旅」

という意味でございます。

もともとはTRANSISTの企画ライブだったものを持ってきたのですが、

我らがTRANSIST RECORDの代表

そしてこのアルバムのアートワークも手がけてくれた岩井氏が

我々の今までどう呼んでいいかわからなかったジャンルを

「ワールド アシッド ミュージック」

と定義してくれた事に関連付けてこのタイトルに決まりました。

TRANSISTメンバーは個々の活動も盛んで

各々これまで世界のあちこちで演奏しています。

そんな６人が集まって出来上がった今回のアルバムを

文章もライブでのMCも拙い私、MOBが少し解説していこうと思います。

M1  OUWA

この曲は昨年寂空氏と私でフランスツアーに行くときに

何もなしで行くのは…という事で

「欧州に三味線（和）の音を響き渡らせる」

をテーマに作った曲です。

普段私はエレキギターではなくガットギター（ナイロン弦のアコーステイックギター）

を弾いているのですが、ガットギターは元より欧州で盛んな楽器

そして日本の伝統楽器津軽三味線

この二つの楽器を上手く調和して作った曲を更に

6人で進化させて今作では一番ハードなナンバーに仕上がりました。

OUWAというのは造語なのですが

欧州と亜細亜をまとめて呼ぶときに欧亜という言葉が本来あるのですが

それを文字って出来た造語です。

因みに抜けてる二人はフランスツアーの帰りの飛行機を

盛大に間違え

「よしトルコ寄って帰るか。」

と寂空氏の一声で向かった先が正に欧亜そのもの。

欧州と亜細亜の文化が混ざった街並みに

感動しつつツアーの最後を締めくくりました。

トルコは２回目だったのですがとても好きな国です。

タクシーでぼったくられそうになったので

普通の料金だけ置いて逃げたのもいい思い出です。

個人的な聴きどころはテーマのメロコアやスクリーモのような6/8のビートに

植田さんのウッドベースの絡みが絶妙にマッチしてて

今までその方面のジャンルでもありそうで無かったアプローチになったと思います。

そして後半のカオスな展開からの寂空氏の狂気をも匂わす三味線ソロは必聴。

え…1曲目から解説長ない！？

ちょっと他の曲とムラが出てきそうな予感がしますね。笑

M2　Swimmy

アルバム全ての曲本当に大好きなのですが

この曲は私の中でも特にお気に入りの曲です。

OUWA同様こちらもフランスツアーのために作った曲。

寂空氏が駅から私の家まで歩いて来る途中（その間1分）に

降りてきたメロディーを元に作り上げました。

私がギターを付けてみて寂空氏が一言

「こんな雰囲気になるとは思わなかった。笑」

曲作りとは意外とこんなもので

一人以上で曲を作る時の醍醐味だと思っております。

そしてアレンジというのは曲の雰囲気を一変させる

言うならば曲を活かすも殺すもアレンジ次第なんだなぁと

今作を通して思いました。

曲のなんとなくが決まったとこで

曲名どうしましょかと尋ねると…

「スイミー…とかどうよ？」

もしかしたらギャグで言ったのかもしれませんが

私の中でなんかこう…しっくり来まして

それならばと、そこからはトントン拍子に曲が仕上がったのを覚えております。

普段、映画やゲームをやってその

感想みたいな感じで曲を作ったりすることも多いので

子供の頃読んだ「スイミー」を思い出しながら作り上げました。

個人的に転調後は後日談を描いたと思ってます。

スイミーは家族を大きな魚に食べられてしまい

そんな中広い世界を一人で見て周り

新たな仲間を見つけ大きな魚に立ち向かう

と言うお話です。

なんとなく今の自分にリンクする事もあり

思い入れがあるのかもしれません。

皆さんもぜひスイミーを読み返しながら聴いてみてください。

おい！2曲目もっと長くなっとるやないか！！

M3  南国逃避行

こちらは寂空氏と祐司と恭平の３人からなる

The Syamisenist

で昔やろうとしていた曲らしく

多分途中でバンドの方向性も変わったのでお蔵入り？

になったものをTRANSISTでどうかな？

と渡されたものをアレンジしました。

タイトルもすでに「南国逃避行」

とされていたので、この

夏大嫌い男

そしてTRANSIST1

夏が似合わない男

の二冠を達成している私が

思う存分夏を表現してみようと言う無謀な試みをしました。

私の中のテーマは

「夏が大好きな男（寂空）が夏が終わってしまうのを憂いて南国へ逃げる。」

です。

日本の祭りのイメージをなんとなくテーマのメロディーに感じさせ

ブリッジ部分では飛行機なのか自家用ジェットなのかで雲間を越え

そして見下ろせば穏やかな南国の海…

そして曲が終わると見せかけ最後にはビーチで寝そべりながら

ラジオからは音楽が。

そんなイメージです。

もう夏も終わり秋風が心地よくなってきましたが

まだ夏が終わって欲しくないあなたに夏を感じて頂けたら幸いです。

M4  ROMA

この曲はTRANSIST発足当時（東さん植田さんが加入する前）

初めてTRANSIST RECORDのコンセプトを基に作った曲です。

５拍子のクラップから始まる曲で

LIVEでもお客さんにクラップを煽って始める曲なのですが、、

まぁ難しいよね～笑

このクラップがライブ会場で自然に起きるのを

メンバー一同夢見ております。

５拍子から始まり、急にSkaのリズムになったり

三味線がギター顔負けの歪みを魅せたり

あらゆるジャンルの要素をふんだんに盛り込まれております。

一度この曲は4人でレコーディングした事がありまして、

ギターのSkaのリズムの裏で恭平がドラムンベースのような

細かく複雑なリズムを叩いているのですが

縦の線に寸分の狂い無く叩き込まれていた事に驚愕したのを思い出します。

個人的な聴きどころは

今回の新録版で新たに追加された祐司のめちゃくちゃ早いけど

あまり目立たない

三味線の合の手です。笑

並みの三味線奏者じゃ出来ない事を何気にやってますので聴いてみてください。

ここまでで2時間かけてる自分にびっくりしてます。

後編に続く・・・

MOB